*イレギュラーな距離で行われる年のタイムは、補正して平均タイムに換算
**の平均ベイヤーは路線平均(2003〜2007BCまで)、他はBCの平均
芝は全レースが史上もっとも遅いタイム。つまり記録的な不良馬場だったということです。ダートの時計はレースごとにバラバラ。展開によるものだと思います。 4馬身以上の差がついたレースが11レース中5レース、ダートは7レース中5レースで3馬身以上の着差がつきました。レースとしてはやや大味になりましたかね。1番人気は4-1-3-3/11とまずまずの成績。
まずジュヴェナイルとダートマイルは高レベル、ややレベルが高いレースはクラシック。クラシックは119、このクラスになるとベイヤー120出さないと本当のハイレベルとは言えないかもしれませんが(過去5回)、他のレースの時計が伸び悩んだもかかわらず、時計も平均を約0.5秒上回っており、2.00.59はコースレコード(45年前に記録された2.00.40)に匹敵する時計なので、悪くはないかと。ジュヴェナイルは史上最高のベイヤー113。他が軒並み低調なタイムの中、平均を約0.7上回る好時計。4年前までは3年連続でジュヴェナイルフィリーズより高いベイヤーが出なかったのですが、ここ3年は連続でベイヤー最高記録更新(104→108→113)。ダートマイルは119出せば初年度のレースレベルとしては文句なしでしょう。
レベルが低いレースは、スプリント、マイル、ディスタフ、フィリー&メアスプリント、やや低いのがフィリー&メアターフ。スプリントは時計も遅く、ベイヤー指数はもう少し低くなると予想してました。マイルは前日の2歳戦と1秒変わらないので、こんなところかと。ディスタフは、ジュヴェナイルやクラシックが例年以上の時計を出してる中で、1秒以上遅かったので仕方のないところ。フィリー&メアスプリントの比較相手は同路線の他のレースになりますが、その比較でも101というのはあまりいい数字ではなく(路線平均はG1&G2で103程度)、G1というなら最低でも105、路線を代表するレースというならせめて108ぐらいが欲しいところ。この数年、牝馬のダート路線はレベルが下がり続けているのですが、それを裏付ける結果です。フィリー&メアターフは比較が難しいですが、ベイヤー指数が表しているように平均より少し下ぐらいかと。あと1ハロンを14.21秒で走ればターフ(111)と同じ時計なので、もう少し評価してもいい気もしますが。
ターフと、ジュヴェナイルフィリーズは、普通。ターフは時計はもっとも遅いものの、ベイヤーは普通。English Channelはタップダンスシチーの圧勝を思い出すレースではありました。ジュヴェナイルフィリーズはベイヤーは平均ぐらいですが、2001〜2004年のTempera(107)、Storm
Flag Flying(109)、Halfbrideled(99)、Sweet Catomine(102)あたりからすると、この3年(87→90→95)はあまりよくなく、古馬牝馬路線の低調基調と歩調を合わせる結果。これはここ数年上昇基調のジュヴェナイルとは対照的。
ジュヴェナイルターフは、ただでさえ不良馬場で時計の判定が難しい上に、比較対象のレース、路線を見いだせないので判定不能。自分持ってるデータでは平均は出せませんが、2歳のノングレードのステークス〜G3のベイヤーがだいたいこんなものです。翌日のマイルとは0.7秒差なので、個人的には結構評価してますが、その分を加味して最大限評価してもG3の上で、G2に届かない程度でしょうか。
【2】レース感想
全体的に大味なレースが多く、個人的にはみててちょっとイマイチだったのですが、やはりクラシックは素晴らしかったと思います。今年は3冠レースで連対した4頭のうち3頭が無事に
BCクラシックまでたどりついたおかげで盛り上がりました。
Curlinと
Street
Senseが一緒に動き出したところでは鳥肌が立つような興奮を覚えました。
Street
Senseは今回もうまく内を回りましたが、少頭数の今回はそれほどの
アドバンテージにもならず。こちらはもう少しタフなFastの方がよかった気がします。
かつては「デビュー4戦目でダービー」、「年明け2戦でダービー」というのは御法度でした。
Curlinは前者、
Street
Senseは後者を選択。無理をさせない時期を作ることで、秋に余力を残したように思います。特に年明けデビューについては、昨年の
Bernardini(デビュー4戦目でプリークネス→BC2着)もそうで、今後も続く流れになりそうです。その点からすると、デビュー以来休みなく使われてきた
Hard
Spunは本当に立派。ダートもAWもこなし、7FでG1勝つスピードと10Fこなすタフさもある。体も丈夫で父も
Danzig、芝でも期待できそう。種牡馬としては期待大でしょうね。
Lawyer
Ronは8ハロン超えたぐらいで手応えが怪しくなってたので、距離よりもむしろ疲労かと。ここ3戦めいっぱいの競馬をしてきたので、ピークを越えていたのだと思います。
負けはしましたが、 この馬がいなかったら古馬はかなり薄いメンバーだったので、レースの価値を高めてくれました。Any
Given Saturdayは距離経験のなさが露呈、Diamond
Stripesは前走みたいに後ろから行くと思ってました。
George
Washingtonは非常に残念でしたね・・・。夏のサラトガでViolette師が、「ダートのSealedされた重馬場は故障が出やすい」と調教師協会を代表して批判していました。速い時計が出やすい(=馬の評価を高めるレースになりやすい)反面、故障が出やすいと。この点については異論もあるようですが、今回の事故でまたそういう批判が出るかもしれませんね。
大一番で勝負弱いと言われるPletcher厩舎ですが、今年はEnglish
Channelで快勝しました。普段のレースで手を抜かずに全部勝ちに行くので、大レースではめいっぱい仕上げてきた伏兵に足下を掬われる、という側面もあると思います。リーディング厩舎故の厳しさといいましょうか。一方故障が多い師匠のLucasは大一番でも強かったので、見習いたいところ。故障は弟子の方がずっと少ないんですけどね。
【3】増設3レースについて
新しく増えた3レースについて。要するにBCが何をやりたいかというと、「世界中の全カテゴリの全有力馬をBCに出走させたい」。
合計では117頭出走したものの元来の8レースの出走頭数が104→87頭と大幅に減ってしまったこと、金曜土曜のトータルの売上は昨年と変わらなかったことを考慮すると、上の目標の是非や実現可能性は置いておいたとしても、イマイチだった思います。
(A)F&Mスプリントに関して。スプリント路線である程度牡馬とやれる馬はいたのですが、過去4年でBCスプリント参戦は1頭のみ。牝馬は牡馬同士の肉弾戦になるBCスプリントを回避する傾向がありました。そういう馬たちを集めるという意味では、このレース自体はありなんじゃないかと思います(7Fになってディスタフから回る馬も多少いるでしょうが)。ただし、格付けは別。最近の牝馬路線のレベル低下からして、G1に値するレベルがあるかどうかは怪しいので、格付けはしっかりやってもらいたいところ。
(B) JVT。欧州からの遠征馬は今後も英国とアイルランドがメインになると思います。あと、北米の3歳芝路線が本格化するのは夏前ですから、アメリカの馬は勝ったらとりあえずダートに向かいそうな気がします(Nownownowがどうするかは未定だそうです)。また、このレースの勝ち馬が3冠のレースを制すれば、3歳5月の時点で、「芝もこなせる」という付加価値をつけることができます。これはなかなか魅力的な要素になりうる可能性を持ってはいます。ですが、これもFMスプリント同様、G1にするには慎重であって欲しいと思います。
(C)ダートマイル。アメリカには「9Fまでならいけるけど、10Fじゃちょっと厳しい一流馬」、というのがたくさんいます。例年、そういう馬の陣営が迷いに迷う、というのがBCの戦前の見所の1つでした。で、その主な選択肢が、(1)無理してクラシックに出る、(2)スプリントに向かう、(3)芝のマイルに向かう、(4)回避する。(1)は一杯いるので置いておいて、(2)はたとえばImperialism('05)、(3)はややレアですがPeace
Rules('03)、一番の安全策の(4)シガーマイルに向かった、Discreet
Cat('06)やPurge('05)など。
ダートマイルには他の2レースと違ってレベルの高い馬は集まるでしょうし、すぐにG1になる(せざるを得ない)と思います。ですが、BC全体から見て頭数が増えるのは(4)のパターンの馬、つまり今年のDiscreet
Catのようなパターンだけなんですね。結局他のレース(スプリント、クラシック)との奪い合いとなってしまいます。現に、去年のスプリント+クラシックの出走合計が27頭(13+14)、今年のクラシック+スプリント+ダートマイルの3レースの出走合計が27頭(9+10+8)と、全然増えていません。
また、拡張の話もあるようですが、興行的にみた場合規模の面で限界に来ているような気がします。拡大するとどうしてもファンの注目が分散してしまうという側面もあります。また、BCも財力的な体力がそれほどあるわけではありません。ですが、非常にビジネスがうまい人たちなので、また何か手を打ってくるとは思いますが。
【4】 主なデータ
西海岸2勝(
Midnight
Lute、
Maryfield)、東海岸6勝(
Corinthian、
Ginger
Punch、
War
Pass、
Lahudood、
Indian
Vale、
Kip
Deville)、ケンタッキー州他2勝(
Curlin、
Nownownow)、欧州0勝。
直前のトライアルで東海岸のレースを使っていた馬が9勝。 これは来年(サンタアニタ)は大きく変わりそうですね。
■観客
金曜日:27,803
土曜日:41,781人(史上2番目に少ない)
■売上
金曜日:19.8百万ドル
土曜日:105.5百万ドル(-26.5百万ドル)
史上最高となった昨年からは大幅な下落。105.5百万ドルというのは2001年以来最低、しかし海外投票分(オーストラリア、フランス、イタリア、メキシコ、南ア、カリブ諸国数カ国)、が未集計でこれが約500万ドルあり、これが加われば史上3位で、日本円で約125億円。これは今年のJRAのJpn-1で一番売れなかったレース、スプリンターズSの128億円とほぼ同額。
コメンタリーは原因は雨と分析しています。が、入場者数についてはそれが言えるかもしれませんが、投票額はどうなんでしょうか。むしろ土曜日の頭数が減った分(104→87)のほうが大きいような気がします。また、未集計分と金曜分を足せば、昨年とほとんど一緒ですよね。2010年までに200百万ドルを目指してるBC委員会にとっては、厳しい数字になってきました。
■視聴率(ESPN)
金曜日:0.3%
土曜日:0.8%(-11%)
■主な引退馬
After
Market、Corinthian
(Gainesway)、English
Channe、Dylan
Thomas、Street
Sense(Darley)、Hard
Spun(Darley)、Lahudood(Shadwell)、My
Typhoon(Live Oak)、Balance
■未定
Discreet
Cat、Curlin
注目はCurlinですが、数日中に決定される予定です。オーナーの1人は「50年に1頭の馬だと思う。父のSmart
Strikeは古馬になってから成長する。が、これはマネーゲーム(Financial Game)でもある」とのことで、個人的には走らせたそうですが、微妙みたいです。
【5】ベボ予想結果